そのへんにいるOL通信

そのへんにいるOLが独り言を吐き出してる。

【Another 著:綾辻行人】感想:ある意味、災厄は人災であり天災である

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アニメ化され、実写映画化された本作を今更ながら読んでみました。

ちなみにアニメも映画も見たことはありません。完全に真っ白な状態。

……かと思いきや、どんな話だろうとネット記事をちょっと読んでみると、ものすごく重要な【ある人物について】が書かれておりネタバレを喰らいました。

なので、発覚した時の「うわあ!」みたいな驚きは無くなりましたが、鬱々とした雰囲気と少年少女の葛藤、主人公ちゃっかり青春してるでオイといった要素をヒシヒシと感じてとても楽しく読めました。

ちなみに、ハードカバーは分厚いな……と気圧されたので、上下巻に別れた文庫本を手に取りました。二冊を組み合わせると一人の顔になるというお洒落仕様。これきっと鳴ちゃんですよね?ですよね?

 

 

あらすじ

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。

同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。

そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?

いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。名手・綾辻行人の新たな代表作となった長編本格ホラー。

 

 

感想(若干ネタバレあり)

 鳴ちゃんにとても綾波レイ感を感じたのは私だけではないはず。

ミステリアスで物静かで自分一人で全てを抱え込もうとする様子、あまりに綾波っぽさを感じたので途中恒一がシンジと被ったり被らなかったり。

 

いくら転校前に病院で見かけて気になったからって、女子に積極的に話しかけるのはクラスで浮くと思うんです。それも田舎で。(田舎出身だからわかる田舎独特の閉塞感が学校、地域に存在します)

もしも災厄が無かったとしても、鳴ちゃんもクラスの人達もさぞ驚くことでしょう。東京の人は積極的だなあみたいな感じで。

鳴ちゃんを《いないもの》として扱うという情報共有が徹底されていなかったため、そんなことが起こってしまったわけですが、これを期に3年3組の生徒たちは社会に出ても報連相をちゃんとできる社会人に育つのだろうと思います。

 

上巻はけっこう、クラスの怯えた感じや皆が災厄について半信半疑なため言い淀んだり思わせぶりなことを言ったり、あと何より恒一が誰かと喋っていても鳴を見つけてすっ飛んでいってしまい、話を聞かなかったのもあって、なかなか話が進みません。

 

 そのかわり、下巻は一気に進みます。(完結巻なんで当たり前なんですが)

一気に人が死んでいくし、災厄を止める方法も知った。死者が誰かも、鳴なら能力でわかるという。けど15歳には酷だよなあと思う。いや、いくつとか関係無いと思うんですが、子供に背負わせるのはしんどいですよ。いくら忘れていくとはいえ。

 

結局、災厄を止めることはできたけど、根本的に解決はしてないんですよね。

また来年も災厄は始まるかもしれないし、再来年かもしれない。

一人の亡くなった生徒を《いるもの》として過ごしたために、3年3組は死に近くなってしまった。始まりは、人が災厄をもたらしてしまいましたが、何十年経っても続いていくのは、災厄が独り歩きをしているようで不気味でした。人災から、その土地だけの天災に変わったかのようでした。

 

ゲームで言うとノーマルエンドですね。ハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもない。

 

ある人物については、これから読む人がいるかもしれないのであえて伏せます。

 

 アニメの評判が結構良い(鳴ちゃんや赤沢さんがかわいい)と小耳にはさみましたが、あんなシーンこんなシーンの死が視覚で確認するのはちょっと怖いかも…